UPPEAL™

ステラ マッカートニーは、2001年のブランド設立当初から、レザー、フェザー、ファー、エキゾチック スキンを一切使用していません。クルエルティフリーであるだけでなく、環境にポジティブな影響を与える素材革新を開発するという私たちのミッションを継続する UPPEAL™は、イタリア北部にて、ジュースやジャムなどの食品産業のために栽培されたリンゴの廃棄物から作られる、ヴィーガンでクルエルティフリー(動物を犠牲にしない)な動物皮革の代替素材です。

UPPEAL™について

UPPEAL™は、Mabel Industries社とFrumat社の提携により2014年から革新された、バイオベースのヴィーガンで実用的、防水性に優れた動物皮革の代替素材です。


ジュースやジャムなどの食品産業のために栽培されたリンゴの廃棄物から作られるUPPEAL™は、地域の食品廃棄物を資源として再利用することで、産業共生実現に貢献します。Mabel社によると、現在、イタリア北部だけでも、推定3万トンのリンゴの廃棄物が発生しています。UPPEAL™は従来であれば埋め立てまたは焼却処分される残果肉、果皮、種などのリンゴの食品廃棄物を原材料としています。この廃棄物はイタリア北部のボルツァーノ地方に本社を置くFrumat社により回収され、乾燥、粉砕を経て、Frumat社製のアップルパウダーへと加工されます。Mabel社は、このパウダーを石油などの化石燃料の代替品として使用し、耐久性を高めるためにポリウレタン樹脂と合成し、キャンバスにコーティングしてUPPEAL™を作り出します。


UPPEAL™は、ソフトでしなやかなテクスチャーを持つ、エンボス加工やレザープリントが可能な素材です。ステラ マッカートニーは、この素材にクロコダイルスキン風のエンボス加工を施し、美しさと耐久性のいずれも妥協することのないヴィーガンでラグジュアリーなアイコンバッグを作り出します。


エキゾチックスキンは、残酷で非倫理的、非人道的な素材です。エキゾチックスキンのために飼育される動物たちは、不衛生な環境に多数が押し込まれ、調達の過程で多大な苦痛を受けるばかりか、時には生きたまま皮を剥がされます。PETAによると、ベトナムだけで、年間約3万頭分のクロコダイルの革が輸出されています。

私の使命は、仲間である生き物たちを傷つけることなく、母なる大地への負担を軽減しながら、廃棄物ゼロのファッション業界を創ることです。このUPPEAL™製の新たなバッグで最も気に入っている点は、廃棄リンゴを再利用することで生まれたヴィーガン素材で、クロコダイルレザーのような見た目とラグジュアリーさを保っている点です。私が大切にしているクルエルティフリーな価値観に一切妥協をしていません。業界の多くの仲間たちが共にファッションの未来を切り拓く考えをもってくれることを願っています。

Stella McCartney

UPPEAL™を採用したフレイム バッグとSウェーブ バッグ

UPPEAL™は、ステラ マッカートニー2023年 ウィンター コレクションのランウェイで、クロコダイルスキン風の精緻なエンボス加工を施したクルエルティフリーのオルター クロコ(Alter Croc)素材となって、「フレイム(Frayme)」トート、バケット、そしてショルダーバッグとして登場します。バッグ全体をぐるりと縁取るチェーンには、ガルバニックアルミニウムを採用し、ゼロウェイストのザマック(亜鉛合金)素材のステートメントのメダリオンが存在感を放ちます。また、本体とチェーンを縫いつける部分にはオーガニックコットン製の紐が用いられるほか、リサイクルポリエステル製のライニングも特徴です。


2022年ウィンター コレクションの一部として発表された「Sウェーブ(S-Wave)」バッグは、ゼロウェイストのザマック(亜鉛合金)素材から作られる"S"をモチーフにした象徴的なブランドマークのディテールがその名の由来となっています。2023年ウィンター コレクションでは、バゲット型のショルダーバッグとクラッチ型のウォレットバッグの2種類を、チョコレートブラウンとブラックの2色で展開します。ストラップやモノグラムのライニングには、ポストコンシューマー リサイクル ポリエステルを100%採用し、トリミングには、クロコダイルのエンボス加工が施されていないUPPEAL™が用いられています。