FASHION FUNGI: Introducing the Summer 2022 campaign
菌類は目に見えなくても、土壌や空気中をはじめ、いたるところに存在しています。私たち人類の過去に根ざすことで、共有する明日への希望を与えてくれます。
地球の生態系にとって重要であり、様々な分野でイノベーションを起こす無限の可能性があるにもかかわらず、9割の菌類が未登録のままであります。キノコが注目されないのは、多くの人がキノコを理解していない、あるいは恐れていることが主な理由です。ステラ マッカートニーの2022年サマー コレクションでは、ファッションだけでなく、私たちの地球の未来として、菌類を楽観的に讃えることを選びました。
このパワフルなアイデアをテーマに、ステラ マッカートニー 2022年サマー コレクションのキャンペーンは、自然へのサイケデリックな旅を描きます。キャンペーンは、南フランスのマルケイサック庭園と本コレクションのショー会場にもなった、パリのエスパス ニーマイヤー（Espace Niemeyer）を舞台に、アイコニックなクリエイティブデュオ、マート＆マーカス(Mert and Marcus)によって撮影されました。キノコの傘の中にいるような感覚を与える空間は、建築家のオスカー ニーマイヤー（Oscar Niemeyer）のアーティスティックな表現や彼の作品に表れる開放性を象徴します。
ステラは、ドキュメンタリー映画『素晴らしき、きのこの世界（Fantastic Fungi）』から着想を得ました。この映画は、様々な症状を治療する薬となり、廃棄物や流出油の分解を助け、またある時には気候変動と戦うための自然のツールとして活躍する、この驚異の生物が持つまだ知られざる無限の可能性を探求します。
2022年サマーキャンペーンでは、英国人菌類学者で『菌類が世界を救う（Entangled Life）』の著者であるマーリン シェルドレイク(Merlin Sheldrake)の指導のもと、世界的に著名なシェフが提供するキノコ料理のイベント、マルチ インストゥルメンタリストであり作曲家のコスモ シェルドレイク(Cosmo Sheldrake)による菌類が成長するときに奏でる音を使ったシンセサイザー音楽、さらにイギリスの歴史的な壁紙ブランドとして知られるコール＆サン(Cole & Son)によりラグジュアリーな壁紙へと変身させた本コレクションの手書きプリントを通してその可能性を探求しています。
気候変動や生物多様性の危機の影響からすべての人々のからだを守りたいのであれば、ファッションにおける動物のレザーやファーの使用を止める必要があります。キノコは、再生可能、更新可能、かつ迅速に栽培できるヴィーガン素材の代替品です。この素晴らしい菌類に夢中にならないわけがありません。
多くの場合、同じ意味で参照されますが、キノコは菌類の生殖構造にすぎません。キノコの多くは菌糸体（マイセリウム、管状細胞の枝分かれしたネットワーク）として生きます。菌糸体は、生分解性の建築材料からパッケージング、そしてボルトスレッズ社（Bolt Threads）とのパートナーシップのもと製作された「マイロ™(Mylo™)」のような動物性レザーに代わるヴィーガン素材の代替品にいたるまで、あらゆる分野で使用されています。
2022年サマー コレクションのランウェイでデビューを果たした「フレイム マイロ™(Frayme Mylo™）」は、世界初の検証済みヴィーガンで、認定されたバイオベース菌糸体を用いたレザーの代替素材「マイロ™」で作られたラグジュアリーブランド世界初のバッグで、2022年後半に数量限定で販売される予定です。 リアルでありながらプラスチックではないこの素材は、石油由来の製品を減らし、世界の温室効果ガス排出量の約14.5%を占め、重要な生態系の破壊の原因のひとつとなった畜産業からアマゾンの森林を守ります。
フリンジ付きパンツや縮れたウエストコートに手描きのキノコ プリントをあしらい、コンパクトなニットトップや体にフィットしたドレスにはバイオフィリックなカットアウトを施してコントラストを効かせています。 自然の活力を大いに取り入れ、私たちのシグネチャーであるエフォートレスさをさらに進化させ、センシュアルな女性らしさを表現するとともに、ステラ ウーマンが、ソフトで軽やかな感覚を通してセクシーさを再定義するよう促しているのです。
