VEGEA®
VEGEA®は、イタリア北部のワイナリーから出た農業廃棄物から作られた、動物性レザーに代わるブドウ由来のヴィーガン素材です。このソフトで技術的な素材は、 厚みや仕上がり、質感などの技術革新を成し遂げた上に、審美的な特徴も持ち備えています。
VEGEA®について
VEGEA®は、イタリア北部のワイナリーからの農業廃棄物を再利用し、動物性レザーに代わる植物ベースの代替素材を開発したバイオマテリアル企業です。
この素材は、ワイナリーから出る果肉、種、果皮、茎などのブドウの廃棄物を再利用し、伝統的な動物皮革製造のような慣習に関与することなく、ラグジュアリーでクルエルティフリーな動物性レザーの代替素材を作り出します。従来の合成素材は化石燃料を使用することが多く、製造中に有害な有毒化学物質を大気中に放出しています。インダストリアル・シンバイオシス(Industrial Symbiosis、産業共生)として知られる、ワイナリー産業からの廃棄物を原料として使用することで、私たちはバージン合成素材への依存を減らしています。
VEGEA®は、まだ完全に廃棄物だけで製造されているわけではいませんが、有意義な第一歩となります。
コレクションに使用されているVEGEA®は、グローバル・リサイクル・スタンダード(GRS)認定の再生ポリエステルを裏地に使用し、水性ポリウレタンを含んでいます。リサイクル原料を取り入れることで、バージン原料の使用をさらに削減しています。ファッション業界で使用されているVEGEA®は、家具業界や自動車業界にも革新をもたらし、より良い方法があることを証明しています。
- インダストリアル・シンバイオシス(Industrial Symbiosis、産業共生)は、ある産業(あるいは産業プロセス)から出た廃棄物や副産物が、別の産業の原料として活用されるプロセスです。
- 資源を活用し、再利用するための分野横断的なビジネスチャンスを特定することで、貴重な資源を可能な限り長く使い続けることができます。
- また、環境的、社会的、経済的利益も測定可能となります。
- グローバル・リサイクル・スタンダード(GRS)は、リサイクル原料のリサイクル率や、社会的、環境的慣行、化学物質規制に関する第三者認証の要件を定めた国際的な自主規格です。
- GRSは、生地や製造工程にリサイクル素材がどれだけ使用されているかを追跡し、検証するための基準です。
VEGEA®は、どのようにして作られるのか?
ブドウ由来のレザーの代替素材 VEGEA®の製造工程は、イタリア北部のブドウ畑から果肉、種、果皮、茎などのブドウの廃棄物を収穫することから始まります。この廃棄物は加工処理され、植物性樹脂と水性ポリウレタンと混合されます。
製造サプライチェーンをローカライズすることで、エコロジカル・フットプリントを削減しています。また、 VEGEA®の生産工程は溶剤や金属など、人や環境に有害な危険物質や有毒物質を使用していません。
レザーの代替素材に込めた考えとは?
残酷で非倫理的、非人道的なだけでなく、動物皮革の生産が環境や社会に与える影響も非常に大きいです。畜産業は世界の温室効果ガス排出量の約19%を占め、熱帯雨林の破壊を促進しています[1]。
WWFによると、アマゾンの森林破壊の80%は、牛肉と皮革製品用の牛の飼育が原因だと言われます。2020年だけで、世界の皮革生産のために約14億頭の動物の皮革が使用されました。これは地球上の人口の5人に1頭の割合に当たります[2]。
革のなめし工程は一般的に発展途上国に委託されており、その人々は安全や保護がほとんどない劣悪な環境で働かなければならず、有害で発がん性のあるなめし剤にさらされています。バングラデシュでは、革なめし労働者の90%が50歳未満で死亡しています[3]。
VEGEA®の素材製造は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち、どの目標をサポートしているのでしょうか?
- 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 12. つくる責任 つかう責任
- 17. パートナーシップで目標を達成しよう
[1] Agricultural subsidies and global greenhouse gas emissions (https://www.nature.com/articles/s41467-021-22703-1)
[2] ‘What are the biggest drivers of tropical deforestation?’, WWF. (https://www.worldwildlife.org/magazine/issues/summer-2018/articles/what-are-the-biggest-drivers-of-tropical-deforestation)